昨年に続き餅つき大会で将棋コーナー
1月13日にマドリード日本人会主催の第17回餅つき大会が行われました。餅つき大会は、マドリード在住の日本人に故郷のお正月を思い起こし、楽しんでもらうための会ですが、日本食や日本文化を楽しみにスペイン人が長い列を作って大勢来場します。鏡開き、餅つき、獅子舞、剣道演舞、二人羽織、折り紙、書道(漢字でスペイン人の名前を書いてあげる)など様々な出し物、コーナーが設けられますが、昨年から将棋コーナーを設けています。(山田彰)
セニョリータが興味

正月明けのマドリードの餅つき大会に来て将棋を覚える少女達
将棋コーナーの場所は今ひとつでしたが、将棋のルールや簡単な考え方、外国語の将棋関係ウエブサイトを記載した資料を用意したり、賞品付きの詰将棋問題を出したりして、多面指しで将棋を教えたりして、来場者に将棋を楽しんでもらいました。在留邦人の方にも将棋を指してもらいたかったのですが、意外に将棋を指す人は少ないようです。
将棋を指しに来た人の中には若い美女もいて、彼女は将棋は初めてだったようですが、また指してみたいとの感想を漏らしていました。将棋に関心を持った人が好きなときにさせる場所があればいいのですが。もちろん今はネット上でいつでも将棋を指せますが、初心者には少しハードルが高いようです。
日本のマンガやアニメファンにも、日本のゲームに関心を持っているスペイン人がたくさんいます。ADAM(アニメ・マンガ保護協会)マドリード支部では毎週金曜日に会員が集まって、日本のアニメやゲームを楽しんでいます。日本のアニメソングを歌うカラオケ大会に審査員として出席した際に、彼らに将棋の盤と駒のセットを送りました。近日中に将棋の講義をする約束になっています。彼らが自分たちだけ定期的に将棋を指すようになると普及には大きな前進となるでしょう。
ISPSでは今まで北京、上海、韓国、ロシア、フィンランド、ウクライナ、フランス等と、会員が行ったり人を呼んだりして将棋を広めてきました。(眞田尚裕)
このやり方にはかなりな経費がかかると言う欠点があります。そこで今年からメインの方法を変えようと思っています。
それは、盛んになってきたインターネットを利用することです。
先方の国に将棋を覚えて、大いに将棋をやりたい、広めていきたいという、核になる人がいることが必要です。これは今までとあまり変わりありません。違うのは、どんな不便なところが相手でも、また、小人数しかいなくてもできると言うことです。パソコンがあってそれがインターネットにつながっていさえすれば世界中のどことでも可能です。 インターネットの普及は大変な速さで地球をカバーしようとしています。先進国のほとんどの国の人とネット対局サイトを通じて交流ができるようになっています。また、そんなに遠くない将来にイラクでも、アフリカでも、当たり前に、インターネットで将棋が指せる様になるでしょう。そうなれば地球の裏側の離れた田舎町とでも交信できるようになります。しかも一回限りでなく継続的で密接な関係を作ることができます。文字通り将棋を世界に広めることが出来るようになるのです。
また、今までは、将棋を世界に広める会のイベントはほとんどが東京都か神奈川県で行われおり、全国各地の会員の方が簡単に参加できるものではありませんでした。
そのために何をやればよいのか。
まずインターネットです。ISPS独自のサイトが持てるのが理想です。が、これは少し先になるでしょう。それまでは既存のものを使わせてもらいます。
二番目は語学です。パソコンが使えても日本語も英語も通じなければ出来ません。しかしこれも長期的には翻訳機などと言うものが出来て、解決するかもしれません。それまでは英語を中心に、語学の優れた会員が担当します。
三番目は教え方の技術です。先生の棋力があまり無くて、すぐに追いつかれるのは良しとしましょう。棋力の強弱よりも教え方の上手下手のほうが問題です。
では具体的にはどんなことをやるのか。それについては、細かい点はこれから考えます。私もやってみようと思っています。実はコンピューターを使っての将棋はまだ不得手なので、マウスの扱いを誤って妙な升目へ駒を落としたりすることはままありますけれど。
なお、インターネットの使えない人、応援する気はあるが今は出来ない人などはどうするか。そういう方々は今までどおりでかまいません。顔の見える、人と人との繋がりが出来あがつているところとは、従来どおりのお付き合いをします。
海外の将棋情報ア・ラ・カルト
かとりまさる原作、安藤慈朗作画の将棋マンガ『しおんの王』がアニメ化され、昨年の秋から今年の春にかけてフジテレビ系列で毎週放映中である。同作品は、少女女流棋士が主人公で、ミステリー仕立ての作品である。驚くべきことに、日本でアニメ作品が放送されると、どこからともなく各国語で字幕をつける者が現れ、ハングル、中国語字幕はテレビ放映から24時間以内、英語字幕は1週間以内、その他の主要な言語でも2週間から1ヶ月以内に字幕が付いて、インターネット上で見ることができるような現象が今起っている。それが21世紀という時代である。前世紀とは隔世の感がある。(寺尾学)
「しおんの王」には、当然のことながら毎回将棋のシーンがあり、それを世界中のアニメファンがみていることになる。実数はわからないが、Youtube などの動画共有サイトの見られた回数の数字などから判断して、日本以外でざっと1万人以上10万人未満の人が毎週『しおんの王』を見ていると私は推定している。これだけ多くの海外の人が毎週将棋の番組に触れる機会を持ったのは、歴史上初めてのことであると考えられる。実際、いろいろなことがインターネット上では起っている。
韓国の若手女流囲碁棋士の心情あふれる英語の感想
韓国にチョ・へヨン七段という囲碁の女流棋士がいる。高麗大学に通う学生女流トップ棋士だ。驚いたことに彼女は、英語でブログを書いていた。さらに驚いたことに、そのブログに「『ヒカルの碁』を見ているとき私はハッピーではなかった」「『しおんの王』こそ、私の待ち望んでいたアニメだ」とまで書いているのである。将棋のことはよく知らないという囲碁棋士の彼女がなぜそこまで『しおんの王』に入り込んだのか。それは、主人公が中学生の女流棋士で彼女の境遇と重なり合うところが多く、感じるところが多かったからである。彼女のブログは英語で書かれているため、世界中の囲碁ファンが読んでいる。当然、触発されて『しおんの王』を見るものがさらに世界中に出てくるし、その中のいくらかの割合の者は将棋に興味を持つものと期待される。動画をかなり自由にインターネットで見られる時代になり、アニメの持つ文化伝播力は『ヒカルの碁』が出てきたとき以上に大きくなっている。(このブログのエントリーの URL はhttp://loveku.livejournal.com/22417.html)
将棋のポータルサイトを開設した米国の夫婦
次は、米国の Clement さん。「実際、『しおんの王』を見て、妻と一緒に将棋をやってみることになりました。将棋は簡単ではないですね。でも、楽しくて、興奮する挑戦です」と語る彼は、他の人にも将棋を知ってもらいたいと考え、自身で登録ユーザーが情報を蓄積していく Wikipedia に似たタイプの将棋専門のサイトを作ってしまった。URL は (http://shogiban.net/wiki/)
ハム将棋で将棋を体験
animesuki と命名された、世界のアニメファンが集うフォーラムがインターネット上にある。そこで、番組の開始の少し前から Shion no ou の会議室が立ち上がり、その会議室でアニメを見た感想やコメントが交換されている。また、個人で『しおんの王』の感想を英語で書き綴っているブログもいくつかある。そういう場で、ハム将棋という、ダウンロードすることなくウェブ上だけでコンピューター相手に将棋が指せるアプリケーションが話題になっている。英語の利用法説明もネット上にあるので、アニメを見て興味を持った人が手軽に将棋を実際に指してみることができるようになっている。私の知っている範囲でも、マレーシア、イタリア、米国、メキシコ、イギリスでハム将棋を体験してみたアニメファンが出てきている。(ハム将棋の英語の使用説明の URL はhttp://shogi-shack.net/playhamshogi.aspx)
*モンゴルの子どもの遠隔指導を開始
年が明けてから、モンゴル将棋協会のバートルさんが選抜した小中学生を対象にした遠隔指導を開始した。やり方は、モンゴルではまだ各家庭にインターネットが普及をしていないので、ウランバートルのネットカフェに子どもが出かけ、そこで将棋倶楽部24に接続して任意の相手と将棋を指し、自動的に残った棋譜を後で再現しながら、いいところ、悪いところを指摘して、棋力の向上を図ろうというもの。コメントの指摘は英語でメールをし、バートルさんがそれをモンゴル語にして子どもに指導するという形を取っている。
次号から、具体的に子どもたちの棋譜と指摘した内容をご紹介していく。また、この方式がそれなりにうまくいけば、モンゴル以外の国にも広げていきたい。そのために、将棋倶楽部24で将棋が指せ、自動的に記録された棋譜を Kifu ファイルとしてダウンロードができ、英語ないしその他の外国語で子どもの指した将棋のいい点、悪い点を指摘できる方で時間が取れる方が今以上に必要。我と思わん方はお声がけをいただきたい。首都圏まわりに住んでいなくても活動に参加できる方法なので、ぜひ積極的なご検討をいただきたい。
*宇都宮理事が北京入
春節に宇都宮理事が北京入りする。これは、北京の春節将棋大会をサポートする名目。日本将棋連盟理事の青野九段、早水女流二段、上田女流初段も現地入り。また、5月に昨年に続き第2弾のアジア学生将棋交流企画を行おうとしている当会会員でもある山内一馬さんも現地入り、崇文区の李民生先生をはじめ、北京の将棋普及に携ってきた日中の関係者が意見交換、情報交換をする機会でもある。