*文化交流使本間六段に協力
8月末より、日本将棋連盟の本間六段が、文化庁の文化交流使として9ヶ月間、フランスを中心に滞在して将棋の普及を行う。将棋を世界に広める会では、今年の2月にお世話になった在フランス日本国大使館の水谷さん、日仏通訳でお世話になったゴルジュさん、リコーにお勤めで現在フランクフルト赴任中のアマチュア強豪、菊田裕司さんなどの連絡先を本間六段に伝えるなどの協力を行った。
*サンクトペテルブルグよりさらに盤駒の追加注文
サンクトペテルブルグのダニール・クリンさんよりさらに盤駒の注文。普及用のビニール盤と駒20セットと、マグネット盤10セットを船便で送った。
*日本将棋連盟へ「将棋世界」誌の送り先変更の連絡・依頼
ウクライナのキエフのチシェンコさんが亡くなった後、あて先不明で日本将棋連盟から送られていた「将棋世界」が日本に返ってきていた。そこで、送り先をリフネの少年宮で将棋を教えているビクトル・シェブチュクさん宛てに送ってもらうよう連絡をした。また、ロシアのサンクト・ペテルブルグのイゴール・アレクサンドロフさんがモスクワ転勤との情報をつかみ、それまで彼に送られていた同誌の送り先を、ユーリ・スピーリョフさん宛てにすることを依頼。
*会員の藤本さんより寄付の盤駒はコロンビアへ
8月の理事会で、寄付いただいた盤駒はコロンビアへ送ることが決まりました。コロンビアでは、バランキージャにカルロス・ホフマンさん、カリにオスカル・ファルドさんという将棋を広めるのに熱心な方がいて、紙製の盤駒を作ってがんばっています。
*北京の李民生先生と日本将棋連盟理事との会合をアレンジ
8月17日に、アジア国際学生将棋交流企画(AISEP)で来日した李民生先生と日本将棋連盟の普及担当の桜井理事との会合をアレンジした。中国を何度も訪れている所司七段も同席。中国本土で日本将棋連盟の支部があるのは今までは上海だけだったが、6万人の普及実績を考慮などして北京にも支部を置けることが席上確認された。
*京都の11月3日の文化行事で将棋大会
京都国際会館より、11月3日の文化行事で将棋大会を開いてくれとの依頼あり。池谷理事が対応予定。青野九段に以前にご提供いただいた日英対訳の棋書を賞品として提供する。
*11月11日に鎌倉国際フェスティバルへ出展
例年通り、鎌倉の大仏前のフェスティバルに将棋のブースを出展する。当日、訪れた外国人の方のために英語で将棋の駒の動かし方から説明できる方のボランティアを募集します。詳細は事務局までご連絡ください。
*チェスのインターナショナルマスターが将棋のスウェーデンチャンピオンに
チェスのインターナショナルマスターの Emil Harmansson さんが、将棋のスウェーデンチャンピオンになった。スウェーデンの将棋のチャンピオンシップのシステムは、4月のスウェーデン選手権の優勝者が、その他の国内大会の優秀者二人との3番勝負を勝ち抜いた挑戦者と「プレーオフ」3番勝負を行うことによって決する。(寺尾学)
Emil Harmansson さんは、4月にスウェーデン選手権で優勝し、さらに6月に行われた Carl Johan Nilsson との3番勝負も3連勝と圧倒し、スウェーデンチャンピオンとなった。
チェスのインターナショナルマスターが、将棋の国内チャンピオンになったのは、過去に米国の Larry Kaufmanさんの例がある。米国以外では初めてのことと思われる。チェスの強豪が将棋に関心を持ってくれるのは、海外の将棋普及にとっては朗報だ。
*プロ棋士のブログに出てくる海外関連情報
所司七段ブログの 6/28,30,7/7付けに上海関係の記事。また、8/16 日に、李民生先生の歓迎会の記事。(URLは、http://c--s.jp/blog/index.php?display=list&offset=0)
*フランスのJapan Expo
7月にマンガ・アニメを中心に日本文化全般を紹介するイベント Japan Expo がパリで開催された。写真が公開されているので、インターネットにアクセスできる人はぜひご覧ください。
http://shogifrance.fr-bb.com/Le-Shogi-en-France-f5/Japan-Expo-2007-t284-34.htm
*コロンビアの「ゲームの祭典」で将棋のプレゼンテーション
7月14日、コロンビアのカリで、「ゲームの祭典」があり、将棋倶楽部24で指している画面をスクリーンに映しながら英語でチャットしているのを、現地の人がスペイン語に訳しながら聴衆に将棋を伝えるイベントが行われた。会場で子ども12名を含め、計20名くらいの人が興味をっもって最後まで見ていてくれたとの事。インターネットを使った新しい将棋の普及方法だ。
現在ISPSのメンバー数は減少傾向であります。これは日々の増員に対する努力より、
自然減のほうが多いということです。公称260と言っていますが、実際はもう少し少なくなっています。このままで行くと会費ではかけはしの費用がやっと、ということになりかねません。(眞田尚裕)
これに対し何らかの抜本的対策が必要です。
今の4倍ぐらい、会員数1000人以上、ならばもう少しやりたいことがやれます。
そこで何がポイントか、考えてみます。
会員に対する見返りが少ないからでしょうか。入会しても活躍の場が少なすぎるためでしょうか。入会してもメリットが少ないからでしょうか。会員がばらばらで考えていることがわかり難いのでしょうか。会の活動に対する会員の関心が薄くなったからでしょうか。 幹事に対しても動ける人が動けばよいという姿勢を貫いてきたせいでしょうか。
他にもあるでしょうが、検討してその原因を探ります。
かけはしの読者の方は、何か名案があればご連絡ください。
北京・韓国との連絡で力添えを果たす
8月17日から21日までの5日間、日本、韓国、中国、香港、シンガポールの学生が東京に合宿してそれぞれの文化圏に存在する将棋(シャンチー・チャンギなど)についてのディスカッションを行ったり、日本の将棋に関するフィールドワークを行ったりして得られた成果を、最終日に公に発表するという将棋界ではかつてなかった活動。元々は、当会が国際交流基金の助成金を得て北京の少年少女を日本に招待しようという企画であったが、紆余曲折あり、当会の会員でもある山内一馬さんが企画を大幅に練り直し、多くの企業からの寄付を集めるなどして実現にこぎつけたものである。(本誌編集部)
企画の内容は、将棋会館でのプロ棋士の対局の見学。駒の歴史、コンピュータ将棋に関する専門家のレクチャー、それぞれの文化圏の将棋(シャンチー・チャンギ・マークルック)の相違点・類似点についてのディスカッション、杉並将棋祭りで視覚障碍者との将棋交流、(株)御蔵の工房で将棋の駒作りの実際を見学し、駒職人の方と質疑応答するなど盛りだくさん。従来の大会が中心の将棋国際交流に一石を投じる形となった。

駒作りの木取りを生で見学
反響は大きく、最終日のプレゼンテーションを見に来ていた学生棋士の広瀬五段は、自分のブログ「プロ棋士のキャンパスLife」で「正直自分でも感心させられることが多く、また多くのことを学ぶことができました。もちろんプレイヤーとして活躍することも重要なことなわけですが、海外に将棋を広めることにもすごく興味をもてるようになりました。」と、将棋は日本だけのものではないという認識の広がりにも貢献している。

アジアの将棋のプレゼンテーションの一幕
当会としては後援をするだけでなく、中国語が得意な会員の小針さんおよび北京郊外に赴任中の森本理事に、北京参加者との連絡、ビザの取得などで、また、会員で韓国将棋協会東京支部長でもある宋さんに韓国からの参加者を募集する際にご助力をいただく形でアジア国際学生将棋交流企画の成功に力添えができました。ありがとうございます。
マンガ・アニメファンに将棋の指導
スペインに着任してから早1年3ヶ月くらいがたちました。スペインは、フランス、ドイツ、英国などと異なり、将棋がまだ全くと言っていいほど普及していません。ゼロからの普及になかなか苦心しているところです(山田彰)
これまで、日本人会主催の餅つき大会やマンガ・アニメ関係のフェスティバルで将棋の指導を行ってきました。スペインでは、若い人を中心に日本のマンガやアニメに近年急速に人気が集まっており、各種の催しが各地で開かれています。そうした会合に集まる人々はマンガ・アニメといったポップ・カルチャーだけではなく、日本の文化全体に強い関心と親日感情を持っています。
最近では7月29日、マドリードの衛星都市であるアルコルコン市で開催される「Jornadas Ludicas de Alcorcon 2007(アルコルコン遊びの祭典、とでも訳しましょうか)」というイベントに出席してきました。ADAM(マドリード・アニメ・マンガ擁護協会)が主催するマンガ、アニメなど日本のポップ・カルチャーに関する3日間のフェスティバルです。フェスティバルの一環としてこの機会にアルコルコン市の青少年センターの一室で、将棋の講習会を行いました。こういうフェスティバルに来る人たちは思ったよりずっと熱心で、ほとんどの人が完全な初心者のはずなのに、熱心に私の説明に耳を傾け、指導対局を受けたり、彼ら自身で対局をしたりしていました。女性も何人か参加しました。将棋は、他のゲームと同じように日本のクールなゲームの一つと思ったのかもしれません。結局、3時間の間、入れ替わり立ち替わり30人以上の人が将棋を指しました。

法被姿で入門指導を行いました
その後、大ホールに移って、コスプレ大会やカラオケ大会などの授賞式、閉会式が行なわれました。スペインでは、私は個人的に日本のポップ・カルチャー普及支援に力を入れていて、こういう会合によく顔を出して挨拶をしたり、賞状を授与したりしています。マンガ・アニメの愛好家に関しては、すでに各地にいろいろな組織が存在し、しっかり根付いています。将棋の普及もこうした既存の組織の力を借りることが必要なのかもしれません。
また、こうした会合で将棋に関心を示した人にメールで連絡して、大使館でも将棋講座を2回開きました(9月には3回目を開催します)。 ルールの指導には、スペイン語の将棋関係サイトから引用したスペイン語の資料を利用していますが、ルールを超えて、将棋の戦術、手筋、といったものに進んでいくにつれてどういうものを教材に使うかが問題になります。7月末の2回目のスペイン人に対する将棋の講習会を開いたときには、夏休みの最中で出席者は少なかったのですが、ルールはみんな知っているということで、前回より進歩して、将棋の戦い方、囲い、詰みの形、形勢判断の方法などを一通り説明し、彼ら同士で平手の実戦の対局を指しました。 覚えたばかりの矢倉や穴熊を早速指しています。なかなか筋の良い者もいて、もう少し時間を掛けると、かなり強くなるのではないかなと思いました。やはり、ルールだけではなく手筋などについてスペイン語の説明による教材があれば、かなり上達の役に立つでしょう。インターネット上では将棋に関する英語のサイトについてはかなり充実してきたような気もしますが、スペインの場合英語教材ではなかなかむずかしいという感じがします。遅まきながらスペイン語教材の作成を行なわなければいけないかなと考えています。

大使館の一室で、皆さん真剣に聞いてくれます
将棋の駒の字も課題の一つです。慣れてくれば問題ないのかもしれませんが、将棋の駒の漢字を正確に理解することは非日本人にとってはなかなかの難事です。特に成駒は何を書いているかよくわかりません。 将棋の本に出ている図面の駒の字と実際の駒の字がかなり違うことも混乱の種です。NHK杯戦で使用されているような一字駒の普及版があればかなり役に立つかもしれません。本当は、それにさらに駒の動き方が載っていれば初心者向けとしては言うことがないのですが。
さらに自分で勉強したいというスペイン人には、英語やスペイン語のウェブサイト、盤駒を入手したいという人には、オンライン・ショップのウェブサイト(注)を紹介するようにしています。こういうことが簡単にできるようになったのは大きな進歩、変化です。自分自身もまだうまくできていませんが、将棋の普及(国内的にも国際的にも)にインターネットの進歩をもっともっと上手に活用する必要があります。
今年の秋には、本間博六段が将棋の普及のためフランスを中心として欧州に約9ヶ月間派遣されることが決まりました。スペインにも来ていただけるようなので、プロ棋士の来訪を機に何とか盛り上げたいと思っています。
スペイン人だけで、将棋を楽しむことができるようになるように、将棋を愛好するスペイン人の組織を作ることが最大の課題と考えています。残された時間がどのくらいあるのかわかりませんが、将棋の確かな足跡をスペインにつけたいものです。
(注)http://www.thetradingcentre.co.uk/products.asp?category=Shogi
言葉の通じない大会運営の難しさ
交流会との出会いは、ほんのちょっとした眞田理事長の言葉から始まった。
「松岡さん、まだ決定ではないが、今年の6月に上海から小中学生が16名程、学校でチームを組んで来るらしい。その時には、横浜で4チームほど選抜してくれませんか」(松岡信行)
1月のことだ。上海ならば横浜と姉妹都市でもあるし、4チームほどの選抜なら何時でも、と返事をした。やがて3月には立ち消えとの話もあり、すっかり脳裏から消えた頃。
「上海のことで打ち合わせをしたいので、5月のISPSの理事会に来て頂けませんか」
理事長からの電話が入る。急いで駆けつけた。理事会での話し合いを聞いていると、随分と内容が変わってきている。上海からは小中学生24人、関係者含めると50名に達する団体が来日すること。しかも中国政府機関も動き、名目上は上海市とではなく中国との交流へと発展したらしい。「日本側も小中学生半々くらい。神奈川県からでいかがでしょう」
県から24人を選抜するのはさほど難しくはないが、図面からすると会場は狭いようだ。現場を見る必要が生じ、その日、千駄ヶ谷から永田町の『星陵会館』に理事会を移し検討に入る。日本側の児童生徒は12名が限度と判明。運営の具体案を練る。この辺りの経緯は「かけはし」40号に詳しく記されているが、実は、この時点でも、私の役割は日本側のチーム構成だとばかり思っていた。ところが、時が経つにつれ運営の一切を、と意向が変わってくる。規模が小さいとは言っても、国と国との友好交流会。一介の教員に全てを任せようとする主催者・日中科学技術文化センター参与の小針俊郎氏、ISPS眞田理事長の懐の深さに内心驚いていたのだが、認識はまだ甘かった。次第に周りの構成が大きくなる。やがて、日本側の実行委員長に元法務大臣野沢太三氏が就任。報道機関は、中国では解放日報と東方時報が、日本では朝日新聞社とNHKの参加が明らかになる。殊にNHKは、国際放送局が15分番組を作成し世界170国に放映する話が本決まりとなり、これに伴い日本将棋連盟が共催に加わることに。
規模が違えば、準備が違う。内容が変われば運営の心配りが変わる。重みが増せば些細な箇所が気になってくる。選手の力のバランスは本当にこれで、名札の中国名は…。
多くの心配を載せた大会。どうにか無事に終了することができた。言葉の通じない大会の運営の難しさを肌で感じた。しかし、子供たちは別である。言葉などはどうでもいい。そこに将棋さえあれば、すぐに打ち解け、終わった後も楽しそうに感想戦を行っている。会場ははしゃぐ声で満ち溢れていた。子供たちと、将棋の素晴らしさに救われた。

上海の子どもたちに熱心に指導する佐藤棋聖
審判長・早水千紗女流棋士2段の流暢な中国語。駆けつけてくれた所司和晴棋士七段の力のこもった5面指し。中国側の許建東氏の達者な日本語と見事な挨拶。張建敏氏の子供の掌握力。振り返ると、豊かな心と素晴らしい人たちとの出会いがあった。 中でも印象に残るのは、代表の子供たち5人に指導将棋を指される佐藤康光棋聖・棋王の真摯な対応振りと、前日のタイトル戦の疲れも見せず、一人一人に丁寧に解説している姿。そしてもう一つ。挨拶に見えられた野沢太三実行委員長が、閉会式が終わった後にも残られ、佐藤棋聖と二人、中国の子供たち、日本の子供たち、そして我々を含めてと、無数のシャッターが切られる何回もの記念撮影に、最後まで笑顔を絶やさずに座っておられた姿でした。

閉会式後の記念写真の一枚、人数が多いので何組にも分けて撮った
この会を企画され、また至る所で的確な援助を頂いた小針俊郎氏、眞田尚裕理事長を中心とするISPSの理事会の方々に、深く深く感謝の意を表します。
上海から46人の訪日団が来日
6月28日から7月4日までの1週間にわたって(社)日中科学技術文化センターと上海囲棋協会将棋専業委員会主催で、2007年「日中文化・スポーツ交流年」企画として日中少年将棋友好交流会を行った。共催は当会と上海許建東将棋倶楽部。(社)日本将棋連盟が協力。(本誌編集部)
6月28日に到着した上海からの一行は、小中学生が24名、教職員などの教育関係者らが22名、合計46名の大所帯。29日朝の千駄ヶ谷の将棋会館の対局見学のときはみなそろいの黄色のTシャツを着て一体感をアピール。森下九段対佐々木五段の対局を、開始から5分ほど正座して見学。本物のプロ棋士がかもし出す緊張感のある瞬間を味わった。
その後、将棋会館の一室で日本将棋連盟の桜井理事、田中理事、中川理事が挨拶と将棋の歴史などのレクチャー。そして、会館内を広報部の方の案内で見学。最後は将棋会館道場で自由対局を行った。
30日は、永田町の星陵会館で10時からメインの友好将棋交流会。当会会員で横浜市の中学教諭の松岡さんが予め選抜していた神奈川県の小中学生12名の日本勢が到着。開会式の後、友好将棋交流会の日中対局が始まった。
「友好交流」だが対局は真剣そのもの
対局が早く終わったりして手すきの子どもには、開会式で中国語の挨拶を披露された早水女流二段、上海将棋親善大使に任命された所司七段が指導対局をしてくださった。
また、この友好交流会の目玉として、前日に淡路島で棋聖戦の第三局を戦った佐藤棋聖がとんぼ返りでゲスト参加。友好将棋会で優勝した栄光中学の選手2名と上海側の子ども3人の計5名が、棋聖の多面指し指導対局を行った。よい思い出になったことであろう。
当初、NHKワールドがアジア向けの英語ニュースとして取材にはいる予定があったが、北朝鮮情勢が緊迫したため、クルーがそちらにとられてしまい、取材されなかったのは惜しまれた。ただし、NHK衛星の「囲碁将棋ジャーナル」囲碁将棋チャンネルの「将棋まるごと90分」では取り上げられた。
上海側の許先生からは、今後も今回のような旅費・滞在費は中国側負担、交流会会場費、交流会開催日は日本側負担の交流を続けていきたい旨の提案があった。前向きな方向で考えたい。